特許事務所は、弁理士が大勢所属する事務所(以下、大事務所)と弁理士が一人または少数所属する事務所(以下、個人事務所)に大別されます。
これら二つの事務所のメリット・デメリットを考えたうえで、特許や商標などを依頼する特許事務所を選定することが一つ、重要となると思います。
以下では、大事務所と個人事務所のメリット・デメリットについて説明します。
なお、弊所は個人事務所に該当します。
1. 大事務所のメリット
1.1. 専門性と多様性
– 多くの弁理士や専門家が在籍しており、多様な技術分野に対応可能(例えば、特許専門、商標専門などと分かれていることが多いです。)
– チームでの作業により、高度な専門知識が活かされる
1.2. リソースとサポート
– 大事務所は、豊富なリソースとサポート体制を持っている
1.3. 信頼性と実績
– 長年の実績や多くの成功事例があり、信頼性が高い
2. 大事務所のデメリット
2.1. コンフリクト*の問題
– 大事務所は多くのクライアントを抱えているため、コンフリクトの観点から、個人発明家や中小企業の案件を受けることが法的に禁止されている場合がある
*弁理士は競合する他所の案件を扱えません。これをコンフリクトといいます。例えば自動車メーカーAの依頼を受けた場合、自動車メーカーBの依頼を受けることは禁止されます。
2.2. 柔軟性の欠如
– 大規模な組織構造のため、柔軟な対応が難しい場合がある
– 迅速な意思決定が難しいことがある
– 担当者が頻繁に変わることがある
3. 個人事務所のメリット
3.1. クライアントに合わせたサービス
– クライアントごとにきめ細かい対応が可能
– 一貫した担当者が対応し、信頼関係を築きやすい(例えば特許も商標も一貫して一人の弁理士が対応することが多いので、より経営に近い視点で総合的な判断のうえで出願の戦略を立てやすいです。)
3.2. 柔軟性と迅速な対応
– 小規模な組織構造のため、柔軟で迅速な対応が可能
– クライアントのニーズに迅速に応えることができる
4. 個人事務所のデメリット
4.1. 限られたリソース
– リソースが限られているため、大量案件には対応が難しい場合がある
– 技術分野によっては対応できない場合がある
4.2. サポート体制の限界
– 複数の専門家が必要な場合に一つの事務所では対応が難しい場合がある
4.3. 信頼性と実績の課題
– 大事務所に比べて実績が少ない場合があり、大事務所に比べて信頼性に劣る場合がある
5. まとめ
– 大事務所と個人事務所、それぞれのメリット・デメリットを理解し、信頼できる事務所または弁理士との長期的な関係を築くことが重要だと思います。
– 弊所は、まだ開業したばかりで実績が少ないので信頼性に乏しい可能性はあります。しかしながら、従前の事務所での経験を活かして少しずつ信頼を蓄積させていきたいと思います。
– 特に、依頼者様に合わせたサービスおよび柔軟性と迅速な対応を重視し、依頼者様に寄り添った対応を心がけていきたいと思います。
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所長 弁理士 平松大輝
ひらまつ特許事務所
名古屋市中区金山1-14-16トキワビル5階
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